スペアキーを作ろうと、意気揚々と近所のホームセンターや合鍵コーナーに元の鍵を持ち込んだものの、「すみません、この鍵はうちでは作れません」と、にべもなく断られてしまった。そんな経験をしたことがある方もいるかもしれません。なぜ、自分の鍵は断られてしまったのでしょうか。そして、次に何をすれば良いのでしょうか。その理由を理解し、正しい対処法を知ることが、途方に暮れないための道しるべとなります。合鍵作成を断られる理由は、主に三つ考えられます。第一に、最も多いのが「対応できるブランクキー(加工前の元鍵)の在庫がない」という理由です。特にホームセンターでは、一般的な住宅用の鍵が中心で、珍しい外国製の鍵や、古い特殊な形状の鍵に対応できるブランクキーは置いていないことがほとんどです。第二の理由は、「高い精度が求められる防犯性の高い鍵」であるケース。表面に多数の丸いくぼみがあるディンプルキーや、波型の溝があるウェーブキーなどは、その複製に高精度な専用のコンピューターマシンが必要です。汎用的なキーマシンしか置いていない店舗では、物理的に作成することが不可能なのです。そして第三の理由が、非常に重要な「登録制の鍵」である場合です。これは、メーカーがセキュリティを管理するために、所有者として登録された人でなければ合鍵を作れないようにしているシステムです。鍵本体や、付属のセキュリティカードに「鍵番号」が刻印されており、この番号がなければ、たとえどんなに高性能な機械があっても複製はできません。では、断られてしまったらどうすれば良いのか。まずは、より専門的な知識と設備を持つ「街の鍵屋さん」に相談してみましょう。ホームセンターで断られた鍵でも、専門店なら対応できる可能性があります。それでも断られた場合、それは登録制の鍵である可能性が非常に高いです。その際は、マンションであれば管理会社、持ち家であれば施工業者やハウスメーカーに連絡し、「メーカー純正キー」を取り寄せるのが、唯一の、そして最も安全な方法となります。断られた理由を正しく理解することが、次の一手を見つけるための最も重要なヒントになるのです。